不穏

ヒューベルト
まもなくミルディン大橋への攻撃を 開始しますが……その前に、良いですかな。

ヒューベルト
このような話、貴殿以外には 聞かせられませんのでな……。

ヒューベルト
話とは、エーデルガルト様の伯父にして、 帝国の摂政、アランデル公のことです。

ヒューベルト
あの者は、今はエーデルガルト様の 協力者ということになっていますが……

ヒューベルト
実は独自の戦力を持って動いています。 我々とは別の企みがあるようなのです。

ヒューベルト
先生も覚えておいででしょう、 ５年前に策動していた者たちのことを。

ヒューベルト
ソロンやクロニエ……彼らこそが、 アランデル公の手先だったのですよ。

ヒューベルト
……先生。彼らが貴殿の父の仇だった というのは、重々承知しています。

ヒューベルト
その仲間と手を組むとなれば、 苦渋どころではない思いがあるでしょう。

ヒューベルト
しかし、彼らは戦力として現状、不可欠。 エーデルガルト様も強く反対しましたが……

ヒューベルト
セイロス教団という恐ろしい者たちを 相手取るに、帝国軍だけでは抗せません。

ヒューベルト
アランデル公の率いる者たちは、 教団に強い敵意を持っています。

ヒューベルト
敵の敵は味方……ということですな。

ヒューベルト
フォドラが統一されるその時までは……。 ですが、その先は……今は口にしません。

ヒューベルト
ただ、私もエーデルガルト様も、 貴殿の力になりたいと、そう思っています。

ヒューベルト
彼らはエーデルガルト様にとっても、 家族の仇のようなもの。

ヒューベルト
前皇帝である父は、彼らに操り人形にされ、 多くの兄弟姉妹が実験の末、殺された……

ヒューベルト
我が主の身の上は、貴殿も聞いたでしょう。 その上での、苦渋の決断なのです。

ヒューベルト
でき得る限りの手は私も打ちます。 貴殿にも協力を頼むことがあるでしょう。

ヒューベルト
どうかこのことを心に留め置きながら、 今はただエーデルガルト様のため……

ヒューベルト
戦っていただきたい。 私の心よりの、願いです。