ベレト & メルセデス 女神の塔

メルセデス
あら～、先生。 こんなところにいたのね～。

メルセデス
大広間じゅう捜し回っても見当たらないから どこへ行っちゃったのかと思ったわ～。

メルセデス
……ふふっ、ちょっと疲れた顔してるわ。 やっぱり人気者は大変ねえ、先生。

メルセデス
そうよねえ。それじゃ、 しばらくここでのんびりしていましょうか。

メルセデス
……ねえ、知ってる、先生？ 女神の塔の言い伝え。

メルセデス
ここで交わされた約束は、 女神様が成就させてくださるんですって。

メルセデス
そんな言い伝えがあるから、 仲の良い男女は二人でここへ来るのよ。

メルセデス
これからもずっと一緒にいよう、とか、 そういう約束をするために、ね。

メルセデス
ここへ来る途中にも、女の子を女神の塔に 誘おうとする男の子を見かけたわ。

メルセデス
何だか素敵よね～。 先生は、そう思わない？

メルセデス
……だけど、約束を交わした子たちが、 ずっと一緒にいられるとは限らないわ～。

メルセデス
この士官学校には貴族が多いでしょ？ 自由に結婚できる人なんてほんの一握り。

メルセデス
それでも一緒にいたいと思うからこそ、 女神様にお願いするんでしょうね～……。

メルセデス
……ところで先生。誰かと逢引きの 予定がある……わけでは、ないわよね？

メルセデス
……あっ、いけない。そう言えば私、 先生を捜しに来たんだったわ。

メルセデス
実を言うとね、踊りの相手に なってもらおうと思ったのだけれど……

メルセデス
でも、騒がしい大広間で踊るより、こうして 先生と一緒にいるほうが、楽しいかも。

メルセデス
先生、もし良かったら、もう少しだけ ここでお話していましょうよ～。

メルセデス
ふふっ……ありがとう、先生。