クロード & マリアンヌＢ / houses.fedatamine.com

クロード, マリアンヌ enter the scene

マリアンヌ、この前は悪かったな。

マリアンヌ

……ええと、何のことでしょうか。

家の事情みたいな込み入った話を、無遠慮に聞いちまっただろ？　すまない。

マリアンヌ

あ、いえ、私が話したくなかっただけで、クロードさんが悪いわけでは……。

マリアンヌ

あまり、自分の話とか、人にしたことがなくて……。

人に、か。ってことは、人以外にはいろいろ話してたりするのか？

マリアンヌ

……まあ、そうですね。人以外なら大丈夫なので。

いや、冗談で言ったんだが……。例えばどんな奴と話してるんだ？

マリアンヌ

馬のドルテとか……。

なるほど。それでドルテ君は、君の話してることを理解してるのかね？

第一部
第二部

マリアンヌ

してます！　彼の言うこともわかるんです。眠いとかお腹が痛いとか鼻が痒いとか……。

マリアンヌ

してます！　彼の言うこともわかるんです。眠いとかお腹が痛いとか鼻が痒いとか……。

愚痴の多い奴なんだな……。ま、ドルテ君のことは置いといて。

俺の興味はマリアンヌの隠し事にある。何か隠してるだろ？　例えば、血筋とか……

マリアンヌ

い、いえ……。

違うなら違うでいいんだ。与太話として聞き流してくれりゃいい。

ただな、先祖が偉いから自分も偉いとか、先祖が卑しいから自分も卑しいとか……

そういう考え方が俺には理解できない。くだらないとしか思えないんだ。

先祖が盗人なら、子孫は何も盗んでなくても盗人なのか？　そんなわけないだろ。

マリアンヌ

それでも……人は、生まれた瞬間から、すでに何かを背負わされてるんです。

マリアンヌ

私は、背負わされたものが大きすぎて…… すみません、やっぱりこの話は終わりです。

マリアンヌ leaves the scene

人は生まれた瞬間から何かを背負わされてる……そりゃそうだ。

だがな、マリアンヌ。背負ったもんは捨てることもできるんだぜ。