リンハルト & ドロテア Ｂ

教団兵
おい、知ってるか？ ドロテアさんって、孤児だったらしいぜ。

教団兵
へえ。さる名高い貴族に取り入って、 修道院に入学したって噂もあったよな。

ドロテア
……はあ。

リンハルト
言わせておきなよ。

ドロテア
きゃあ！　リンくん。 やだ、脅かさないで。

リンハルト
君が勝手に驚いただけで、 脅かしたわけじゃ……まあいいや。

リンハルト
それよりあんな陰口、昔のことだよね。 甘いものでも食べて忘れよう。

リンハルト
僕もよく陰口を叩かれるけどね、 好きなものを食べるとどうでもよくなるよ。

ドロテア
……貴方と一緒にしないで。 そんな簡単に割り切れたら苦労しません。

リンハルト
別に難しいことじゃないと思うけどなあ。 何が問題なんだろ。

リンハルト
……ああ、もしかして前に 君が言ってた、自尊心ってやつ？

ドロテア
……全然違いますから。

リンハルト
じゃあ……

ドロテア
……リンくん。 独りにしてちょうだい、お願い。

リンハルト
いいけど、自分の生き方は自分のものだよ。 他人の言葉で変わるようなもんじゃない。

リンハルト
それに……ああ、ごめん。 つい話しちゃう。やめるよ。

ドロテア
ええ……。