ドロテア & ペトラ Ｃ

ペトラ
はい。皆、優しく、助けます。 わたし、とても、慣れる、でした。

ドロテア
まあ、良かったわ。 初めて会った時にはびっくりしたのよ。

ドロテア
ブリギットから遥々来たお姫様がいるって。 こうして仲良くなれて嬉しいわ。

ペトラ
わたし、嬉しい、同じ、です。 けれども、お姫様、呼び方、照れます。

ドロテア
いいじゃない。 可愛いペトラちゃんは間違いなくお姫様よ。

ドロテア
故郷が懐かしくなったりしない？ 例えば、料理の味つけとか……。

ペトラ
あります。しかし、叶う、できません。 材料、こだわり、何もかも、違います。

ドロテア
そうよねえ。ブリギット料理なんて、 食堂じゃ出ないものね。

ドロテア
他にも想像もつかない苦労がありそうね。 遠い地で頑張るってことは。

ドロテア
そうだ、今度私が料理を作ってあげる。 似た材料を使って、何とか……

ペトラ
待つ、お願いします、ドロテア。 気持ちだけ、嬉しいです。

ペトラ
しかし、あなた、料理の腕、 壊滅的……凄惨と、聞きました。

ドロテア
壊滅的で凄惨……誰が言ったのよ、もう。 料理は苦手だけど、調理なら……。

ペトラ
……わたし、気持ちだけ、本当、十分です。 満足、でした。

ドロテア
なーんか言い方が引っかかるけど、 まあいいわ。

ドロテア
それじゃ、他のことで貴女の苦労を 解消させてあげられないかしら。

ドロテア
体中を揉んであげましょうか？ いつも熱心に鍛錬してるものね。

ペトラ
いえ、構わない、問題、ありません。 体、ちゃんと、自分、ほぐします。

ドロテア
そう？　なら、貴女がぐっすり 眠れるように、とっておきの子守歌を……

ペトラ
心配、要る、ないです。 わたし、寝つき、良い、思います。

ドロテア
遠慮しなくていいのよ、ペトラちゃん。 私たちの仲じゃない。

ドロテア
何かあったら言ってね。 私、ちょっと用事を片づけてくるから。

ペトラ
……ドロテア、少し、近いです。 鼓動、早まります。