エーデルガルト & ドロテア Ｃ

ドロテア
エーデルちゃーん。 またしかめっ面してるわよ。

ドロテア
折角の可愛いお顔に皺が寄っちゃうわ。 ほら、笑顔笑顔。

エーデルガルト
……ああ、ドロテアね。 ありがとう、少し考え事をしていたの。

エーデルガルト
やらなければいけないことが多すぎて、 頭が痛くなってくる。

エーデルガルト
本当に帝都の貴族連中には 役に立たない者が多いから……

ドロテア
私だって、貴族なんてなくなってしまえば いいと思うけれど……

エーデルガルト
貴族が生まれてからたった１２００年……。 その前には貴族なんていなかったのだから。

ドロテア
１２００年前が「たった」ね……。

ドロテア
エーデルちゃんの言うことは、 いつも途方もないわ。

ドロテア
でも、それを実現しちゃうのよねえ。 本当に……歌劇の登場人物みたい。

エーデルガルト
歌劇の登場人物、ね……。

エーデルガルト
もし後世に私が主役の歌劇が作られたら、 どんなふうに描かれるのかしら。

ドロテア
随分と物騒だけれど、 歌劇の主題としては素敵ねえ。

ドロテア
血沸き肉躍る活劇になるかしら。 それとも重い政治の密室劇かしら？

ドロテア
ああ　エーデルガルト！ その足元は血に塗れようとも……

ドロテア
頭には　輝かしき冠 その手には　凱旋の旗……

エーデルガルト
ドロテア、そこまで。 少し……いいえ、かなり気恥ずかしいわ。

エーデルガルト
もし私の歌劇ができるとしても、 ずっと先であることを願いましょう。