ヒルダ & セテスＡ / houses.fedatamine.com

セテス enters the scene

ヒルダ enters the scene

ヒルダ。

あ、セテスさま。こんにちはー。

……ほう？

な、何ですか？

私に声をかけられても、逃げ腰にならなくなったな。

あ、あはははー。気づかれてましたか。

セテスさまにじーっと見られると、心の中まで覗かれてる気分になるんですよ。

ほう、それが苦にならないということは、後ろめたいことがなくなったのか？

いえ、慣れただけですー。セテスさまが怖いだけの人じゃないってわかったしー。

後ろめたいことはあるのか……？いつまでも怠け者では困るな。

そうですねー、あたしだって冬眠できないキツネさんにはなりたくないですしー。

そうか。寓話に込めた教訓が正しく伝わっているようで何よりだ。

でもあの話、ちょっとリスさんが冷たすぎませんかー？

自分だけ良ければ、友達が困ってても関係なーい、みたいな。

む……確かに。子供がそのような考えを持ってしまうと困るな。

リスは貯えたドングリを少し分けてあげて、それでキツネはどうにか春まで耐えた……

……とでもすれば、どうだろう？

それなら子供たちも、優しいリスさんになりたーい！って思ってくれそうですー。

うむ、そうか。君に聞いてもらって正解だったな。

……そうだ。フレンのために作った寓話はまだまだあるんだ。聞いてくれないか？

いっそ、ちゃんと本にしたらどうですか？あたしだけが聞くのももったいないですし。

ほほう、それは妙案だな！よし、早速準備に取り掛かろう。

君、絵は得意かな？挿絵を描いてほしいのだが。

……まあ、子供向け絵本の挿絵くらいなら適当にちゃちゃっと描けそうな気も……。

ついでに、内容についても意見が欲しい。手伝ってくれるか？

えー、ちょっと面倒くさい……けど、乗りかかった舟ですし……わかりましたー。

そうか！　私もやる気が出てきたぞ！これは子供たちの未来のための大事業だ！

セテス leaves the scene

こんなに嬉しそうにはしゃがれると面倒事も引き受けちゃうわね……。　