ローレンツ & リシテア Ａ

ローレンツ
リシテア君。 あまり日差しの強い場所にいてはいけない。

ローレンツ
急に涼やかな風が吹くこともある。 外にいる時は上着を用意するべきだ。

リシテア
………………。

ローレンツ
それに最近は多忙で疲れているだろう。 今日はほどほどにして休みたまえ。

リシテア
……ああああ！　んもう！ わかったから、ついてこないで！

ローレンツ
ぼ、僕は君の体調を気遣ってだな……！

リシテア
今は別に、体調は悪くありません。 それに、自分のことは自分で管理できます！

リシテア
わたしには休んでる暇なんてないんです。 みんなより生きられる時間が短いから……。

リシテア
早く一人前になって、領内を落ち着かせて、 父と母を安心させてあげたいんです。

ローレンツ
焦る必要などない！　君が短命だなんて…… 誰の診断か知らないが、僕は信じない。

ローレンツ
現に今の君は元気じゃないか。健康にさえ 気遣えば、きっと人並みに生きられる。

リシテア
だからって……お茶請けが薬草入りの 焼き菓子になったのは不満なんですけど。

ローレンツ
医は食に通じ、食は医に通ずる。 健やかな体を作るには、まず食からだ。

リシテア
それはそうかもしれませんけど、 普通のお菓子のほうが美味しいし……。

ローレンツ
フォドラ中から薬草入り菓子を取り寄せて、 なるべく甘いものを厳選していたのだが。

リシテア
……それは気づいてました。 ごめんなさい、いつもありがとう。

リシテア
だけど、程々にしてください。 太って不健康になったら意味ないでしょう？

リシテア
……わたしだって、あんたと１日でも長く お茶会したいんですからね。

ローレンツ
リシテア君……そうか！ そう思ってくれるか！　僕も同じ気持ちだ！

ローレンツ
いつか理想の未来を掴んでも、そこに君が いなければ、幸福など感じないだろう。

ローレンツ
君と話すほどに君の魅力に引き込まれ、 いつしかそう思うようになってしまった。

ローレンツ
君と歩む未来……それが！ 僕が目指すべき未来なのだ！！

リシテア
あ、う……そういう恥ずかしいことを、 大きな声で言うのは……

ローレンツ
恥ずかしい？　何を恥じることがある！ 僕は君といつまでも……

リシテア
わかった！　わかりました！ だからもう落ち着いてくださいってば。

ローレンツ
君は何も案じることはないぞ。 すべて僕に任せておきたまえ！

ローレンツ
なにせ僕は、フォドラの未来を背負って立つ 男だからね。はーはっはっは。

リシテア
ふふ……わたしも自分を諦めないから。 ずっと見守っていてね、ローレンツ。