リシテア & ツィリルＡ / houses.fedatamine.com

リシテア enters the scene

ツィリル enters the scene

ねえ、リシテア。

……あら、ツィリル。どうしました？

これ、また読んでくれる？

この紙、また買い物を頼まれたんですね。ふふ、わかりました。いいですよ。

……あら、これは。ねえ、ツィリル。これに目を通しました？

ううん。どうせ読めないから。

……そうですか。ちょっとここを見て。この字の並びに見覚えは？

え……あ、もしかして、リンゴ？ ……リンゴ、を、３個？

そうです！　読めましたね！ちゃんと覚えていたじゃないですか！

ほんとだ！もしかして、他のところも読めるのかな……

あんたは記憶力がいいんだから、何度か復習すればすぐ字も覚えますよ。

そうやって身に着けた教養は失うことはないんです。

……いつまでも、わたしが教えてあげることもできないんですから。

……リシテア？

い、いえ。何でもないです。ところでツィリル、勉強は嫌いなんですか？

文字を覚える気がないように見えますけど。忙しくて、そんな時間もない？

今までは、覚え方がわからなくて。隠してたから誰かに相談もできなかったし。

だけど今は…… もう少しの間、このままでもいいかなって。

何でですか。困ってたんだから覚えたらいいのに。

自分で字を覚えるよりも、リシテアに読んでもらうほうがいいから。

……は？　わた、し？

うん。……読んでって頼むと、リシテア嬉しそうに笑うでしょ。

とっても可愛いんだもん。みんなにも言われるでしょ？

そそそそそ、そんなこと言われません！と、年上をからかって……！

あの顔はボクしか見たことないのかな。だったら、ちょっと嬉しいけど。

な、何言ってるんですか！この子はあーっ！

ふふっ！じゃ、ボク先生の用事済ませてくるね。

ツィリル leaves the scene

も、もう、読んであげないんだから！ ……気をつけていってらっしゃい！！