リシテア & ツィリルＣ / houses.fedatamine.com

ツィリル, リシテア enter the scene

これがいいかな……。

……ツィリル？　何してるんですか？

薪にする木を何本か選んで、運ぶんだ。

そんな長い丸太を一人で何本も？ ……わたしが１本、運んであげます。

やめといたほうがいいよ。ボク一人でも運べるから。

遠慮しないでください。わたしはあんたよりお姉さんなんだから。

ねえ、リシテア…… フラフラしてるけど大丈夫？

だ、大丈夫です。ちょっと持ちづらいだけ……きゃあ！？

ごめんなさい。邪魔してしまって……。丸太を運ぶのって難しいんですね。

あんなに真っ直ぐ歩けなくなるなんて思わなかった……。

やめたほうがいいって言ったでしょ。慣れてない人には難しいから。

……わたし、何も知らなかったんですね。手伝うなんて言って、この体たらく……。

これに懲りたら、もうボクに構わないで。じゃ、残りの丸太運んじゃうから、行くね。

え……少しくらい休んだら？

運んだら、薪割りもしないと。日が沈む前に終わらせたいんだ。

じゃあ、割った薪を運ぶのは手伝います！それくらいなら、わたしにだって……！

……薪って、ささくれ立ってるの知ってる？そんな柔らかい手で触ったら棘が刺さるよ。

えっ……！

リシテアの手は向いてないって言ってるの。お姫様の手だもの。

それに丸太運びや薪割りが得意になっても、そんなのこの先、役に立たないだろうし。

……ボクとは住む世界が違うんだから。余計なお節介はしなくていいよ。

で、でも！　今は一緒にいます！だから、困った時は頼ってくれても……。

確かに、今は一緒にいるけど、ずっと一緒にいるわけじゃないでしょ。

それこそ、アナタの弟にでもならない限り、絶対にあり得ない。