セテス & マヌエラＢ / houses.fedatamine.com

マヌエラ enters the scene

マヌエラ
………………。

セテス enters the scene

先客か。 ……マヌエラ？

あら、セテスさん。 ……こんにちは。

驚いたな。貴女が、礼拝の時間でもないのにここにいるなんて。

休んでいただけよ。医務室にいると、仕事をしないわけにはいかないから。

隠す必要はない。先程の貴女の姿を見れば、真摯に祈りを捧げていたことくらいわかる。

ふふ、祈っていたわけじゃないわ。ただ思い出に浸っていただけ。

子供の頃……両親に連れられて、初めてここを訪れた時のことを思い出していたの。

この小聖堂に迷い込んだあたくしの耳に…… あの時、どこからか歌声が聞こえてきたわ。

それを聞いて、あたくしは無意識のうちに歌い出していた。ふふ、歌姫誕生の瞬間ね。

それは初耳だな。君が子供の頃というと、私はまだガルグ＝マクにはいなかったか。

何にせよ、その歌声が君の人生の一助となったのであれば素晴らしい出来事だ。

ええ、だからあたくしの歌声は、主から授かったものだと思っているの。

歌劇団を辞めた後、ここへ来られたのも、きっと主の思し召しなんだと思うわ。

ふむ……そうして主について語る貴女は、いつもとは別人のようだな。

普段からそういう態度でいてくれれば、また印象も違うだろうに……。

あら、そんなことを言ってくれるなんて嬉しいわね、セテスさん。

あなたは、そんなふうに敬虔で信心深い女性がお好みなのかしら？

……少し褒めると、すぐこれだ。マヌエラ、貴女という人は……

冗談よ、冗談。堅苦しい話は苦手なのよ。

でも、あなたの好みは本当に知りたいわ。どんな女性に惹かれるのかしら？

……貴女の話を聞かせてもらった返礼に、特別にその質問に答えよう。

私の好みの女性は、物静かで優しく、裏表のない清楚な人だ。

もう……あたくしと真逆じゃない。セテスさんのい・じ・わ・る！