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アネット
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あ、殿下、おはようございます。 こんな朝早くから、訓練ですか?
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ディミトリ
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ああ、まあ……。 アネットこそ、こんな朝からどうした?
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アネット
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えへへ、あたしは朝のお散歩中です。 殿下もどうですか? 気持ちいいですよ!
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ディミトリ
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……朝の散歩、か。 ギュスタヴの奴も、それが日課だった。
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ディミトリ
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お前は本当に父親に似ているな、アネット。
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アネット
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えへへ、わかります?
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アネット
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……えへへ、よく言われました。
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アネット
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父さん、仕事も忙しくて、あまり家に 帰ってくることはなかったんですけど……。
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アネット
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家に帰ってきた時は、よく あたしをお散歩に連れていってくれました。
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ディミトリ
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……お前には、いろいろと 悪いことをしたな、アネット。
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ディミトリ
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あいつには、ろくに休みも 与えてやれなかった。
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ディミトリ
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まるで、俺や父上が、お前から 父親を取り上げてしまったような……
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アネット
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少し寂しかったけど……いいんです。 父さん、自分の仕事が大好きだったから。
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アネット
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……あっ、それよりあたし、もっと殿下と お話したいなーって思ってたんですよ!
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ディミトリ
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俺と……? どうして、また。
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アネット
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父さん、あたしや母さんの前でもあんまり 喋るほうじゃなかったんですけど……
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アネット
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たまに、殿下の話を聞かせてくれたんです。 ……だから他人って気がしなくって。
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アネット
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昔から知ってたような感じがするというか、 うーん……お兄ちゃん、みたいな?
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ディミトリ
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……お兄ちゃん、か。
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アネット
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あっ、ご、ごめんなさい、つい! ……失礼でしたよね!
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ディミトリ
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ああいや、別に構わない。
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ディミトリ
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確かに、もしお前のような妹がいたら、 きっと毎日楽しかっただろうな。
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ディミトリ
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しかしギュスタヴの奴、 アネットに何を話したんだ……?
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アネット
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あっ、聞きたいですか? 殿下が子供の頃にー……
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ディミトリ
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ああ……いや、わざわざ言わなくていい。 ……悪い予感しかしないからな。
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ディミトリ
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この際すべて忘れてくれ。 そして他言無用で頼む。いいな、アネット。