ディミトリ & カトリーヌ Ｂ

カトリーヌ
よう、今日も今日とて訓練かい？ 精が出るね。

カトリーヌ
しかも今日の得物は剣か。 ……確か、昔は剣が苦手だったんだろ？

ディミトリ
カトリーヌさん……。 それは誰から聞いたんです。

カトリーヌ
前に、ロドリグ卿からね。 力任せに剣を振り回してへし折ったとか。

ディミトリ
それは昔の話ですから……。あれから私も、 それなりに努力してきましたので。

ディミトリ
今では、剣も得意な武器の１つです。 試してみますか？

カトリーヌ
まあ、口で言うより戦うのが早いか。 それじゃ……かかってきな！

カトリーヌ
……はは、こいつは驚いた！ 想像よりもずっとやるね、アンタ！

ディミトリ
いえ、カトリーヌさんこそ……。 私など、まだまだ未熟者です。

カトリーヌ
今は戦士どうし、仕合ってるんだ。 謙遜は要らん。

カトリーヌ
型どおりの動きとはいえ、力があるし…… 何より、かなり戦い慣れしてるな。

カトリーヌ
ただ、少し欲がね。勝ちを狙うのは良いが、 あまりに逸ると足をすくわれるぞ。

ディミトリ
欲、ですか……なるほど、肝に銘じます。 ご指導、ありがとうございます。

カトリーヌ
……そういう堅苦しいところが 肩凝りそうで見てらんないんだよなあ。

カトリーヌ
よし、決めた、街に出るぞ。 飯でも食いながら腹割って喋りゃ……

ディミトリ
その……誘いはありがたいのですが、 今晩は何かと雑務が立て込んでいまして。

カトリーヌ
雑務、ねえ。 そんなもん、ほっぽり出しときゃいいのに。

ディミトリ
流石にそれは……。 私も、責任ある立場ですから。

カトリーヌ
そうかい、ま、無理強いはしないよ。 日を改めてまた誘うさ。

カトリーヌ
アンタのことは結構気に入っててね。 もっと気楽にいろいろ話したいんだ。

ディミトリ
それは……光栄です。

ディミトリ
……昔、あなたが剣を振るう姿を見た時から ずっとあなたの背を追ってきました。

ディミトリ
こうしてあなたと並び立ち、 剣を交わせるのは、本当に……

カトリーヌ
おいおい何だよ、いきなり。 こっ恥ずかしいこと言い出して。

カトリーヌ
ほら、休憩はここまでだ。 今度は剣じゃなく、槍でかかってきな。

カトリーヌ
アンタの本気の技、見せてみろ。 アタシも本気で迎え撃つよ。

ディミトリ
……はい。 では、遠慮なく。