エーデルガルト & リシテア Ａ

エーデルガルト
リシテア、体の調子はどう？

リシテア
おかげさまで。……自分はどうなんです？ 調子は良いのかしら？

エーデルガルト
ええ、おかげさまで。

リシテア
ふうん……。ところで、 小耳に挟んだんですけど。

リシテア
あんたって、ゆくゆくは紋章のない世界に するつもりだっていうのは本当ですか？

エーデルガルト
ええ、本当よ。 私は既存の貴族制度を壊すつもりでいる。

エーデルガルト
貴族を貴族たらしめているのは紋章の血脈。 その価値をなくせば貴族も自ずと消えるわ。

リシテア
良いですね、その考え。 うん、すごく良い。

リシテア
わたしの両親は、貴族であるがゆえに とても苦しい人生を強いられてきました。

リシテア
わたし自身、紋章のせいで、 まっとうな人生さえ送れない体になった。

リシテア
貴族制度も紋章も、うんざりなんです。 それらをすべて消し去ってくれるなら……

リシテア
わたしの短い人生の残り全部を、 あんたの理想のために使ってもいい。

エーデルガルト
リシテア……。

リシテア
……ねえ、エーデルガルト。 あんたの髪の色、昔からそんな色でした？

エーデルガルト
え……？

リシテア
わたしは違った。紋章を２つ宿したことで、 髪の色さえ失ってしまったの。

リシテア
あんたには、もうわたしたちのような 犠牲者が生まれない世界を創ってほしい。

リシテア
その役に立てるなら、わたしの命を 残らず捧げても、後悔なんてしません。

エーデルガルト
……わかったわ、約束する。 私は必ず、成し遂げてみせる。

エーデルガルト
その代わり、あなたも約束して。 生きることを絶対に諦めないと。

エーデルガルト
どんな過酷な運命にも、 私たちなら打ち克つことができる。

エーデルガルト
そう、信じてほしい。 ……どうかしら？

リシテア
わかりました。 信じてみます。

エーデルガルト
ふふ、良い子ね。 お菓子食べる？

リシテア
ちょっと、あんたね！ ……食べるけど！