マヌエラ & アロイスＡ / houses.fedatamine.com

マヌエラ, アロイス enter the scene

マヌエラ先生、先日は娘のために骨を折ってくれて本当に感謝の言葉もない。

あなたに選んでもらった誕生日の贈り物、娘はいたく喜んでくれたようだ。

ふふ、当然の結果ね。このあたくしが、厳選に厳選を重ねて選んだんですもの。

それで娘から貰った感謝の手紙なのだが、あなたにも読んでもらえないだろうか。

あたくしに？でも、ご家族の手紙を読むなんて……

遠慮は無用。手紙の宛先をよく見るといい。

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アロイスさんの名前と……あら、もう一つ、『贈り物を選んでくれた方へ』？

うむ、我が娘ながら実に勘が鋭い。私の浅知恵をこうもあっさり見抜くとは。

今まで薄汚れた硬貨を贈り続けてたなら、誰だって気づくと思うわ……。

まあでも、そういうことなら、遠慮なく読ませてもらおうかしら。

マヌエラ
………………。

……はあ。父親想いの良く出来た娘さんね。あたくし、感心したわ。あたくし。

はっはっは。それ程でもあるかな。そういえば娘は幼い頃よく……

はいはい。その話はまた今度ということで。

むむ、残念だ。では、それは後日として…… マヌエラ先生には改めてお礼をしたい。

恩には恩で報いるのが騎士というもの。何か私にできることはないだろうか。

うーん……。してほしいことは山ほどあるけど、できることと言うと難しいわね。

……ま、娘さんの心温まるお手紙を読ませてもらったから、それで十分よ。

それに騎士に恩を売ったつもりもないわ。友人を助けただけよ、あたくし。

ううむ、なるほど。確かに一理ある。では、感謝の言葉だけ改めて……

マヌエラ先生、心より感謝する。次もよろしく頼む。

……え？　次って何？聞き捨てならないのだけれど。

娘の誕生日が終われば、妻の誕生日が来るのは自明の理であろう。

また知恵を借りたいのだ。友人として。

ちょっと、調子に乗らないでくれるかしら？

何でこんな男が結婚できて、あたくしが結婚できないの！？　もう！