マヌエラ & アロイスＣ / houses.fedatamine.com

アロイス, マヌエラ enter the scene

あら、アロイスさんも今から食事？よろしければご一緒しても？

うむ、ちょうど私も誰かを誘おうと思っていたところだ。

いざ、食堂に参らん！はっはっはっはっは！

アロイス leaves the scene

アロイスさん……やけに上機嫌だけれど、いったいどうしちゃったのかしら。

アロイス, マヌエラ enter the scene

聞いてくれるか、マヌエラ先生。今日、妻から手紙が届いてな。

……失敗したわ、あたくし。これが上機嫌の理由だったのね。

娘があることを習い始めたのだ。マヌエラ先生、何か想像がつくか？

今の話だけで答えなきゃいけないの？ ……そうね、ありがちなところで料理とか。

流石はマヌエラ先生！　そのとおりだ！妻が娘に料理の手ほどきをしてな。

当たっちゃったのね……。

何でも娘は、私の好きな料理を作れるようになって、次に帰る時に作ってくれるそうだ！

ぬおおん！　父親冥利に尽きるぞ！これ以上の幸せがあろうか！　いや、ない！

食事中に叫ばないでくださる？　……って、あたくしの話なんて聞こえてないわね。

久々に我が家に帰る私。出迎える妻。不安そうな顔の娘が、差し出す料理……。

もう味もわからん！　全力で平らげる！そんな未来が待っているとは……！

いえ、そこは味わいなさいな。折角作った娘さんが可哀想だわ。

そして、食べ切った後に、こう言うのだ。最高だ、人生で二番目に美味かった、とな。

最高なのに一番じゃないのね。ま、次に何を言うのか想像はつくけれど。

一番は妻の手料理だ。だが、それに匹敵する味だったぞ！　娘よ！

ちょっと……いつ、あなたの娘になったのかしら、あたくし。

『父さま、嬉しいわ！』笑顔で抱き着く娘！ああ！　なんと幸せな光景か！　ああ……！

……聞いてないわね。

何であたくしがこんな話に付き合わされなきゃいけないの……。