マヌエラ & ツィリルＣ / houses.fedatamine.com

ツィリル, マヌエラ enter the scene

あーもう。やってられないわ……。何よ……何よ！　何なのよ……！

……あの、マヌエラさん？

今度こそ幸せになれると思ったのに……！どうして、あたくしの恋はいつもこうなの？

……あの、マヌエラさん？何でボクの袖を掴んでいるんですか？

え？　だって掴んでいないと、あなた、逃げるわよね？

それは当たり前…… いえ、そういうことじゃなくて。

……だって誰も聞いてくれないんだもの。あたくしの悲恋の物語を。

そこをツィリルが通りかかったら、逃がすわけにはいかないわよね？

………………。

わかりました、諦めます。

流石はツィリル、良い子ね。食べちゃいたいくらいよ、あたくし。

……それで、いったい何があったんですか？

聞きたい？　じゃあ、聞かせてあげるわ。それは、つい昨日の出来事なの……。

酒場でたまたま会った人なんだけど、すぐに打ち解けて話も盛り上がって……。

運命の人だと思ったのよ、あたくし。だのに……意気投合し過ぎたみたいなの。

気持ちよく飲んで飲んで飲んでいたら…… あの人、いつの間にか消えていて……。

確か前にも似たような話を聞いた気がします。

違うのよ！　昨日は本気だったの！だのに、こんな仕打ち……酷いじゃない？

その台詞も前に聞きました。

もう、細かいことはいいじゃない。とにかく、あたくしの心はぼろぼろなのよ。

ねえ、ツィリル。いったい、何がいけないのかしら、あたくし。

飲んで飲んで飲んでしまうのがいけないと思いますけど。

あら、楽しく飲んで飲んで飲んでこそ、深い仲になれるものよ、大人の男女って。

まあ、あなたにはまだわからないわね。ふふふ、でも、いつかわかるわ、きっと。

はあー、聞いてもらってスッキリしたわ。またお願いね、ツィリル！

マヌエラ leaves the scene

………………。