ベレト & イングリット Ｓ

イングリット
……どうされたのです、先生。 こんなところで、空など見上げて。

イングリット
ええと……その、ですね。 私、先生に伝えたいことがあったのです。

イングリット
この戦争が終わったら 必ず伝えようと決めていました。

イングリット
……はい。

イングリット
先生……私は、あなたが好きです。 師としてではなく、一人の男性として。

イングリット
も……もちろん、以前お伝えしたように 先生としても、尊敬しているのですが。

イングリット
……節制や倹約がどうとか言いながら、 結局のところ強欲な女なのです、私は。

イングリット
騎士という自分の夢も、あなたという相手も 欲しいものは手に入れずにはいられない……

イングリット
私はあなたと、一緒にいたい。 先生と生徒としてではなく、男女として。

ベレト
………………。

イングリット
せ、先生……。

イングリット
あ……。 先生、これは……。

イングリット
……良いのですか、先生。 私のような、戦いしか知らない女でも……。

イングリット
……先生も、私と共に在りたいと、 そう思ってくださっていたのですね。

イングリット
はああああ……良かったあ……！ 私、また空回ってしまったのかと……！

イングリット
……ところで、あの。こうなった以上は、 もう先生、とは呼べませんよね……。

イングリット
……その、ええと。

イングリット
……私、これからはずっと側にいる。 天上の女神様に……あなたに誓って。

イングリット
あなたと共に、 この新たな時代を生きられる……

イングリット
どんな困難が立ち塞がろうと、あなたの 剣となり盾となり、共に戦ってゆける。

イングリット
……心の底から、それが嬉しい。 それだけで、私は幸せなの。

イングリット
………………。

イングリット
……す、すみません。慣れるまでは…… もう少し、時間がかかりそうです。