ヒルダ & レオニーＢ / houses.fedatamine.com

レオニー enters the scene

ヒルダ enters the scene

何、ヒルダ。わたしに用って……。

わ、高そうな首飾り……。こんなにたくさん並べて、どうしたんだ？

綺麗でしょー？　一つあげるわ。気に入った物を選んでー？

はあ？　急に何だよ。選べったってそういうわけには……。

いいから選んでよー。あたしが、あげたいって言ってるんだから。

はあ？　……理由もなく貰えないし、理由があっても遠慮するよ。

何で？　こんなに綺麗なのにー。綺麗な物を身に着けると、やる気出るわよ？

まあ、あんたはそうかもしれないね。でも、わたしには効果ないから。

……この前もそんなこと言ってたわね。あたしとあなたにどう違いがあるのよー？

この首飾りが、わたしにとってはただの綺麗な首飾りでしかないからだよ。

……例えば、この首飾り。どうやって手に入れたの？

ああ、これ。初めて自分で選んだ首飾りね。今はもう趣味に合わなくて使ってないけど。

そういうのだよ。首飾りを手に入れた思い出とか記憶。

わたしには、この首飾りを大切にしたいという思い出がない。

だけどこのお守りには、師匠からの教えや、忘れたくない思い出がたくさん詰まってる。

あんたにとっては、ただの小汚い木札だろうけどね。

ふうん……。ま、言いたいことはわかった。正論だとも思うよ。だけどさー……

レオニーちゃん、そんなん着けてても、一生モテないわよー？

なっ……いいんだよ！モテたいなんて思ってないし！

強がらなくてもいーから。仕方ない、ここはヒルダちゃんが一肌脱ぐわよ。

……気持ちを込めて作ったお守りなら、身に着けてくれるんでしょー？

……え？　まさか、あんたがお守りを？作ってくれるっていうの？

レオニーちゃんがモテない人生を送るのを黙って見てられないじゃない？

そういうの得意だし。すっごく可愛いの作ってあげるから、次は貰ってよねー？

あー、でも、ただ貰うだけってのもな。 ……よし！　わたしにも作り方を教えてよ。

わたしも気持ち込めて作るからさ。交換ってことにしよう。

わー、嬉しい！　作り方は教えるから、可愛いの作ってよね？　可愛いのだよ？

ぜ、善処する……。