アッシュ & ギルベルトＢ / houses.fedatamine.com

ギルベルト, アッシュ enter the scene

ギルベルト

む……どうした、アッシュ。今日は訓練に身が入っていないようだが。

す、すみません……。どうしても気にかかることがあって。

ギルベルト

雑念は訓練の妨げとなる。 ……私で答えられる話であれば、答えよう。

……ギルベルトさんの守るべき主君は、王家の方々……だったんですよね？

けれど５年前、ギルベルトさんはガルグ＝マクにいた……。

あなたほどの騎士が、なぜ自らの戒めを破ったのか……理由が知りたいんです。

ギルベルト

……痛いところを突いてくる。

ギルベルト

「ダスカーの悲劇」を知っているだろう。９年前、国王の一行が惨殺された事件だ。

……はい。自分も、無関係ではありませんから。

私の義兄は、襲撃犯を手引きした嫌疑をかけられて、教団に……

ギルベルト

……お前はつらい思いをしただろう。 ……すまなかったな。

どうしてあなたが謝るんです？悪いのはギルベルトさんじゃ……

ギルベルト

私にも責任の一端がある。あの日、私が陛下のお側に控えていれば……

ギルベルト

あの事件も大事にはならず、陛下も命を落とさずに済んだかもしれない……。

そう思ったから…… ファーガスを去った、と？

ギルベルト

ああ……笑ってくれ、私は耐えかねたのだ。何もかもが私を責めているように思えた。

ギルベルトさん……笑ったりはしませんよ。 ……笑うなんて、できるわけがない。

だけど……だけど、あなたは最後まで、筋を通すべきだったと思うんです。

一時の汚名を甘受しようとも、いつか必ず名誉を回復する機会が来たはずです！

あ……す、すみません。

つい、自分のことのように思えてしまって……出過ぎたことを。

ギルベルト

いや……そうか。そう言えば、お前はあのロナート卿の養子だったか……。

ギルベルト

以前、私にはもう一つ、守りたいものがあったと言ったな、アッシュ。

ギルベルト

それは、家族だ。 ……私が、国に置き去りにした妻と娘。

ギルベルト

ロナート卿は息子のために剣を取った。それが主に背く道であったとしても……

ギルベルト

私は……一人の父親として兵を挙げたロナート卿を、責められはしない。

アッシュ
………………。

ギルベルト

だが……あの方も私と同じく、本当に守るべきものを見失っていたのかもしれん。

ロナート様が、本当に守るべきだったもの、ですか……？

ギルベルト

ああ。……それはお前だ、アッシュ。お前もまた、ロナート卿の息子なのだろう。

僕が、ロナート様の……。

……あのっ、ギルベルトさん。私には……守るべきものが、ありました。

最初から目の前にあったのに、どうして気づかなかったんだろう。

私は……ロナート様の息子として、その誇りと遺志を継ぎ……守っていきたい。

ギルベルト

……そうか。

ギルベルト

……アッシュ。お前はきっと、良い騎士になるだろう。

い、いえ！　私などまだまだで……。これからも、ご指導いただきたいです！

ギルベルト

ああ、無論、構わんとも。後進の成長を見るのは嬉しいものだな……。