ディミトリ & ドゥドゥーＢ / houses.fedatamine.com

王国兵, 王国兵 enter the scene

……おかしな方だよなあ。ダスカー人なんて側に置くか、普通。

どうせ汚い手でも使って取り入ったんだろ。ダスカー人どものやり口だ。

ディミトリ enters the scene

ドゥドゥー enters the scene

ディミトリ

ほう、随分愉快な話をしているな。俺も交ぜてくれるか。……で、その続きは？

……え、ああ、殿下。いや、何でも……ははは……。

ディミトリ

続きは。

は、はは…… す……すみませんでした……。

王国兵 leaves the scene

王国兵 leaves the scene

ディミトリ

どいつもこいつも、馬鹿馬鹿しいな。 ……だがこれがファーガスの現状、か。

ドゥドゥー

事実、おかしなことなのです。おれを側に置いておくというのは。

ディミトリ

……お前は嫌か、ドゥドゥー。

ドゥドゥー

と、言いますと……。

ディミトリ

従者の地位を手に入れるために汚い手を使ったと罵られるのは、嫌か。

ドゥドゥー

それは……嫌です。おれはともかく、殿下の名誉が傷つけられるのは……

ディミトリ

今、俺のことは聞いていない。それはどうでもいい話だ。

ドゥドゥー

……どうでもいいはずがありません。

ドゥドゥー

殿下、なぜ……なぜそうまでして、おれを守ろうとなさるのです。

ディミトリ

……俺の義務だからだ。

ディミトリ

父上が殺されたあの日、ダスカーで俺が見た襲撃者は、ダスカー人などではなかった。

ディミトリ

俺はそれを見ていながら、知っていながら、その後の虐殺を阻止することも……

ディミトリ

お前たちに着せられた王殺しの汚名を、拭ってやることもできなかった……！

ディミトリ

俺はお前に……俺が死なせてしまったすべての者の無念に、報いねばならない。

ドゥドゥー

……おれは、確かにファーガスが憎い。ですが、殿下だけは別です。

ドゥドゥー

あの地獄に救いの手を伸べてくれたのは殿下だけでしたから。

ディミトリ
………………。

ドゥドゥー

あなたが身を呈してまで、顔も知らぬはずのおれを救ってくださった瞬間に……

ドゥドゥー

この方のために生きようと、そう心に決めたのです。

ドゥドゥー

殿下、あなたのためならば、おれは命さえも惜しくなどありません。

ドゥドゥー

そして……だからこそおれはあなたの友人にはなれないのです。

ドゥドゥー

王国にはいまだダスカー人を恨む者も多い。そんなおれを友人として側に置けば……

ディミトリ

……ドゥドゥー。

ドゥドゥー

……！

ディミトリ

俺が、その程度の雑言を気にかけるとでも思っているのか。

ドゥドゥー

も……申し訳ありません、殿下。

ディミトリ

……お前の言いたいことは、よくわかった。寂しいものだな。

ディミトリ

俺はこれからもお前の主君であり、お前はこれからも俺の従者だ。

ディミトリ

それ以上でも以下でもない。 ……お前はそう言いたいんだな。

ドゥドゥー

……は。